青森の十和田市現代美術館で、北海道を拠点とする彫刻家・国松希根太の美術館での初個展が開催される。会期は12月13日〜2026年5月10日。
国松は1977年北海道生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より北海道中南部の白老から内陸に位置する飛生の旧小学校を改造した「飛生アートコミュニティー」を拠点に制作活動を行っている。長い年月を経て独自のフォルムを形成した木々を使用し作品を制作。近年は地平線や水平線、山脈、洞窟などの風景の中に存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどを発表している。飛生アートコミュニティーでは、敷地内の森を守りながら、2009年より飛生芸術祭を開催。さらに2010年代半ばより、近隣のアヨロと呼ばれる地域を中心に土地を探索するフィールドワークを「Ayoro Laboratory」として展開するなど、その活動は多岐に渡る。
本展では国松の代表作に加え、十和田の自然に出会うことで生まれた新作も披露される。さらに飛生アートコミュニティーやAyoro Laboratoryの活動や、国松の父の國松明日香(彫刻家)や祖父の国松登(画家)へと連なる作家の系譜も紹介される。本展を通じて、北の大地を活動拠点とする国松の創造の源泉を知る機会となるだろう。

2025年日本国際博覧会 出展作品
展示場所:コネクティングゾーン ポップアップステージ北 空の広場
撮影:忽那光一郎

札幌国際芸術祭2024 展示風景
撮影:藤倉翼